過ごしやすい快適なお部屋に欠かせないもの、それはズバリ『お気に入りの香り』ではないでしょうか。
お気に入りの家具や寝具でインテリアを素敵にコーディネートしても空気が澱んでいてはせっかくのお部屋がもったいないです。
ルームフレグランスは昨今色んな形態の物が発売されており固形の物・液体の物・おしゃれなスティックタイプなど様々ですが今回はその中でもこもった空気をリフレッシュしてくれる紙タイプのお香『Papier d’armenieパピエダルメニイ』の使い方や香りについてレビューしていきたいと思います。
ネーミングが『トラディショナル』『アルメニイ』『ローズ』なのでローズ以外は香りの想像がつきにくく、どんな香りなのかわからない方もいらっしゃると思います。
実際に三種類購入したものを比較してみましたのでご参考になれば幸いです。
日本やインド・チベット・フランスなど数々のお香や香木を普段から愛用している、元・お香店店員が詳しく解説していきますので気になっている方は是非ご一読いただければと思います。
珍しい紙のお香について詳しくみていきましょう!
紙のお香【パピエダルメニイ】とは?
パピエダルメニイは1885年にフランスで生まれた紙のお香で約140年の歴史があります。
安息香(ツツジ目エゴノキ科エゴノキ属のアンソクコウノキ、もしくはその他同属植物から採取出来る樹脂)をしみこませた紙でできており、このベンゾインという成分によって空気を浄化してくれます。
パピエダルメニイは伝統的な技術を持つ職人さんによって昔から変わらぬ方法でつくられています。
見た目は小さなメモ帳のようで、切り取り線に沿って千切り蛇腹状に折り曲げて使用します。
2023年には『櫻井・有吉 THE夜会』でSnowManの目黒蓮さんが愛用していると放送され話題になりました。
紙のお香のメリット・デメリット
メリット
紙のお香のメリットは時間がかからないので急な来客時や就寝前など時間がないときにもさっと焚けることです。
普通のお香のように時間がかからない為火事などを心配する必要もありません。
また本来のスティックタイプのお香と違い、カバンに入れて持ち運んだりする際も折れることがない為好きな場所に持って行って気軽に香りを楽しむことが出来ます。
すぐにいい香りに出来て火の心配もないのは便利だね!
デメリット
デメリットは、お香を焚く時の煙が立ち上るゆったりした時間を味わえずにすぐに終わってしまうことです。
瞑想やヨガの時にお香を焚く場合はペーパータイプよりスティックタイプのほうがおすすめです。
更に渦巻タイプのお香は燃焼時間が約2時間20分もありますので長く燃焼を楽しみたい場合はこちらをおすすめします。
値段はどれくらい?
パピエダルメニイは3×12枚で一冊になっており、店舗により差はありますが大体どの香りも1000円以下で購入出来ます。(2024年3月現在)
香りが三種類あるのですがトラディショナルが一番安くアルメニイとローズは同じくらいの店舗が多いようです。
普通のお香と価格的には変わらないのね!
三冊セットや十冊セットだと更に安くなりますので、セットで購入して友人や家族などで分け合うとお得に購入出来ます。
紙のお香の使い方【実際の写真を使っての説明】
紙のお香が初めてという方に使い方を説明します。
といってもとても簡単です。
まずはお香用のお皿や香炉などなんでも構いませんので耐熱の受け皿を用意します。
このように一枚を三分割出来るようになっていますので一枚切り取ります。
アコーディオンのように蛇腹状に折ります。
火をつけたらすぐに吹き消し受け皿にのせて燃え尽きるのを待つだけです。
今回記事を執筆するにあたって実際の燃焼時間を計ってみました。
折り方や焚く環境にもよりますが閉め切った6畳の部屋で約2分で燃え尽きました。
終わった後は熱くないことを確認して捨ててください。
紙なので燃えた後はすぐに冷めます。
消臭したい場合は閉め切った部屋で焚き、煙を行き渡らせてから窓を開けて煙を排出します。
使い方:番外編
燃焼させて使う以外にも紙のお香ならではのおすすめの使い方があります。
- 名刺入れにいれる
- お財布に入れる
- 本の栞(ブックマーカー)として使う
燃やさずにそのまま挟むことで名刺やお財布に香りを纏わせることが出来ます。
特に名刺に関しては良い香りがついていることで印象に残りやすくなる効果も。
こちらは文香(ふみこう)のような使い方ですね。
文香とは香木などの香料を和紙で包んだもので手紙や衣類などに香りをつける平安時代から続くものです。
財布に文香を入れることによって金運が上がるとも言われており、私がお香屋で働いている時にもこの文香は人気でした。
金運…ちょっと試してみたいかも
トラディショナル・アルメニイ・ローズの香り比較
商品を検索した方は商品のデザインが二種類あることに気付かれるとおもいます。
実は2017年1月に製造している工場で火災が起きしばらくの間生産停止になっていましたが2018年6月より販売が再開されました。
なので旧デザインと新デザインがあります。
また、以前の商品はトラディショナルのみ天然着色料で茶色に染められていましたが現在は三種類とも同じ色味です。
それでは早速三種類の香りについて比較していきましょう。
バニラと甘く暖かみがあるバルサミックノートが東洋を思わせる香り
トラディショナルは三種類の中で一番ベーシックな香りです。
安息香(ベンゾイン)は甘いバニラのような香りが特徴です。
バニラの香りを探していてパピエダルメニイに辿り着いた方もいるのではないでしょうか。
甘い香りで落ち着くという口コミも多くみられます。
ですが甘さがわからない、ただ紙を燃やした匂いという口コミもあります。
私が実際焚いてみた感想は『重厚でクラシックな図書館』
まさにこの写真のような本がたくさんあって静かで落ち着く、そんなイメージです。
バニラに関してはインドなどのはっきりくっきりしたバニラのお香をイメージすると肩透かしをくらうような、そんな控えめな甘さでした。
旧型の方が甘いという口コミを見たので比較のため新旧両方購入して焚きましたがやはり一般的なお香のバニラよりははるかに控えめでした。
ただある日ふとバニラの甘い香りがしてなんだろう?と思うと髪の毛からの香りで、こちらを焚いた香りが髪に移ったものでした。
なので嗅覚に敏感な方はバニラを感じられるかもしれませんしそうでない方もふとした時に甘い香りを楽しめるかもしれません。
インセンスとミルラが溶け込んだウッディーバニラの雅な香り
アルメニイについては購入前あまりイメージが出来ない香りでした。
ミルラ(カンラン科の低木から採取できる樹脂)というのは香りだけでなく防腐剤や殺菌消毒としても利用されてきました。清涼感のあるスモーキーでウッディな香りです。
実際に焚いてみた感想は高級感のあるホテルのような清潔感のある香りでした。
トラディショナルの控え目さとは打って変わって華やかな香水のような香りです。
香りはユニセックスで爽やかだと感じました。男性でも女性でも使いやすいです。
この爽やかさがミルラの清涼感なのかと思います。
形容しがたいのですがベルガモットのような爽やかさを感じます。
ウッディーバニラとのことですが甘さはこちらもトラディショナルと同じく控え目だと思います。
ですが香り自体がはっきりしているため焚いている最中もトラディショナルより甘さが感じられます。
香水のような香りといいましたがお香ですのでそこまできつく嫌な香り方はしません。
この香りがとても気に入っていて、トラディショナルとこちらを気分によって使い分けています。
イランとトルコのふたつのローズにフルーティーさを加えた豊かな香り
こちらのローズは先の二種類とは異なり変わってとても甘いです。
薔薇の香りのものは普段から色々購入するくらいには好きなのですがこちらはシンプルな薔薇の香りとは違い薔薇+バニラのようなこっくりとした甘さでした。
爽やかではなく濃厚でパウダリーな甘いローズなので純粋なみずみずしい薔薇のみの香りが好きな方には合わないかもしれません。
逆にバニラなどがブレンドされたロマンティックな甘めのローズが好きであればオススメ出来る香りです。
トラディショナルとアルメニイは男女共に使いやすいイメージですがこちらはより女性的な香りです。
実際購入してみた感想
はじめに三種類購入し、特に気に入った【トラディショナル】と【アルメニイ】を現在はリピートして使っています。
仕事を始める前や夜寝る前など気分を切り替える時のリフレッシュ、揚げ物や焼き肉など匂いのきつい料理をした後にキッチンやリビングの消臭として使用しているのですが、やはり時間もかからず手軽にさっと焚けるところは大きなメリットだと感じます。
気分転換や急いで消臭したいときは紙タイプ、じっくり煙を燻らせてリラックスしたいときはスティックタイプと使い分けると良いと思います。
まとめ
フランスで生まれた長い歴史のあるパピエダルメニイ。
お香としても文香やサシェとしても使用できるおしゃれアイテムです。
お気に入りのお部屋を仕上げるひと手間として素敵な香りをまとわせてみてはいかがでしょうか?